2:6:2の法則から学ぶ
2017/05/08
皆さまはこの2:6:2は何の割合かご存知ですか?
これは、会社の中での社員の構成比です。
①価値観がバッチリ合い、自律的に成長する人材(自燃型)
②こちらから働きかければ戦力となってくれる人材(他燃型)
③働きかけても戦力になりにくい人材(不燃型)
①:②:③=2:6:2
どの企業にも当てはまると言われています。
①の人材を見極め、時間とお金を投資することは、企業にとってとても大切なことです。
ただ、頭を悩ませるのは③ではないでしょうか。
では③を排除すればよいかといったら…そう簡単にはいきませんよね。
学校に例えると…
100人生徒がいたら、学力で1位の生徒がいれば、100位の生徒がいる。
では、この最下位の100位の生徒を辞めさせたとしたら…
99位の生徒が最下位のレッテルを貼られます。
これは100人だろうが5人だろうが同じこと。
最上位の人がいれば、必ず最下位の人もいる。
数字で結果が出てくる会社では、とくにこういうことが起こります。
だから、③を安易に辞めさせるというのは考えものです。
私は、こう考えています。
そもそも最下位という考え方は、勝ち負け(Win-Lose)の論理。
皆で勝つ(Both win)という考え方であれば、最上位も最下位も無い。
①も②も③も混在するのが組織ならば、皆が活きる方法を考えたほうが得である。
だからこそ『③を活かすにはどうしたらよいか』という考え方を持つことが、組織の成長につながると考えています。
私はこれを、お客様から学ばせていただいたのです。
鬱っぽく、言い訳がましく、急に休む社員。
会社や上司の文句ばかりを言いながら、本業では成果が出ない社員。
勤務態度が悪く、注意すれば口をきかなくなる社員。
同僚の足を引っ張る社員。
放っておけば、会社にとって害悪にしかなりません。
でも、そもそも彼ら彼女らは、こういった行動・態度を取ることを心底望んでいるのでしょうか?
より良い人間関係を築くために効果的な考え方である「選択理論心理学」では、様々な問題行動の85%は、身近な人との不満足な人間関係からくると言われています。
つまり③の社員は、人間関係における何かしらの不平不満が、行動としてあらわれている可能性が高いのです。
何が問題行動の原因なのか?
それを解決するためには何が必要なのか?
『③を活かすにはどうしたらよいか』という姿勢を持ち、社員と向き合うことで、解決策が見つかるのです。
ひょっとしたら、上司との関係、夫婦・親子の関係、仲間との関係、誰にも言えないような人間関係での悩みを抱えていたり、経済的な悩みや、健康上の悩みに苦しんでいるかもしれません。
ただ、これらを誰かと分かち合うだけで、スッキリするものですよね。
皆さまも心当たりはないでしょうか?
自分が満たされていない状態で、仕事で満足いくパフォーマンスを上げられるでしょうか?
『いやいやいや…そこは社会人なんだから! 大人なんだから!』
経営者としては、こういう言葉がつい出てくるかもしれません。
しかし、しかしです。
人間ってそんなに強い生き物でしょうか?
つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの (相田みつを)
この言葉に私は何度救われたことか^^
アメリカの精神科医であり選択理論心理学の提唱者であるウイリアム・グラッサー博士はこう言っています。
『社長の仕事は、社員の話を聴くことである。』
まず、社員のありのままを受け止めて、コップの水を空けてあげるところからスタートするのです。
その社員が何が満たされていないのかを知るだけで価値があると思いませんか?
なぜならば、それが改善策になり、より良い組織をつくるためのヒントになるからです。
①:②:③ = 2:6:2 は、組織に必ず存在します。
組織を成長させる原動力は①
組織の中で行動して結果を出すのが②
そして、組織を成長させる促進剤を持っているのは③。
こうとらえると、すべてに意味があるということがわかります。
すべては解釈次第です。
でも、私はこう考えるととてもテンションが上がり、ワクワク感が出てくるのです!